NISAは手数料が高いって本当?

NISA(ニーサ)には4つの種類がある

NISA (小額投資非課税制度) って何ですか?

NISA (小額投資非課税制度) とは、

投資金における売却益や配当(≒投資による利益)への税金が条件付きで「非課税」になる制度です。
(投資により利益がでた場合は、基本的に約20%の税金がかかります)

すごく簡単に言えば、投資して設けた分の税金を無料にする制度です。

NISAには大きく4つの種類があり、それぞれ非課税となる「期間」や「投資対象」が決まっています。また、この制度が適用されるNISA専用の非課税口座を、通常の銀行口座とは別に開設する必要があります。

では、NISAの種類についてみていきましょう。

①積み立てNISAについて

積み立てNISA(非課税累積投資に係る小額投資非課税制度)は2018年1月にスタートした非課税制度です。

投資家の「長期・積立・分散投資」をサポートをするために設けられました。

本来、投資利益には約20%の税金がかかりますが、つみたてNISA口座で金融商品を購入すれば、最長20年間は投資で得られる利益に税金がかからない制度です。(年間40万円まで)

この20年間の非課税期間が、積み立てNISA最大のメリットになります。

デメリットはいくつかありますが、初心者でも感じる最大のデメリットは購入できる商品は金融庁が定めた選定した限られた商品のみだということです。

銘柄数は約200に絞り込まれおり、日本全体には約6,000銘柄の投資信託があることを考えると少なさが目立ちます。(≒金融庁や保険会社がよく儲かるものは残っている印象)

なるほど!毎月約3万円(年間40万円)の投資ができて、20年は非課税になるってことですね。

②一般NISAについて

こちらも同じく本来、投資利益には約20%の税金がかかりますが、一般NISA口座で金融商品を購入すれば、最長5年間は投資で得られる利益に税金がかからない制度です。(年間120万円まで)

この一般NISA口座を金融機関において通常の銀行口座とは別に開設し、該当口座で上場株式や投資信託を売買すると、この口座で得た所得に対して非課税になります。

ただし利用者1人につき1口座のみ開設可能です。また、積み立てNISA口座との併用はできません。つまりNISAと名前のつく口座が開設されていないことが条件になります。

また、投資できる銘柄数は、積み立てNISAよりも多く多少リスクの高い商品にも、一般NISA口座で売買できるようになります。

積み立てNISAよりも投資可能な金額は多いけれど、非課税の期間は短いってことですね。

現行の一般NISA口座「開設」期間は2014年(平成26年)から2023年(令和5年)の10年間です。
「非課税」期間が5年間ということで利用者が勘違いしやすく、長期で運用できないので老後の資産形成には不向きとも言えます。

③新NISA

2024年から今までの②一般NISAは、新NISAという新しいものに変わります

2024年~2028年までの制度で、積み立てNISA(年20万円)+一般NISA(年102万円)の2階建て制度です。

積み立てNISA(年20万円)の方は、投資対象は積み立てNISAと同様です。5年間の制度終了後は①積み立てNISAに移行できます。

一般の株式や投資信託(年102万円)の方は、上記の積み立てNISAを行った人だけが利用できます。また旧NISAでは投資できていたハイリスク・ハイリターンの商品(レバレッジ型や通貨選択型など)の投資信託は対象外となります。

今まで一般NISAでハイリスク・ハイリターンの投資を行っていた人は、積み立てNISAがマストになり、商品が規制されるので使いにくいですね。

④ジュニアNISA

2016年~2023年までの制度として、0歳から19歳の未成年者専用のジュニアNISA(主に親が子供名義で大学入学費を作ることを想定)の創設されました。

(一人当たり年80万円が限度で、3月31日時点で18歳である年の前年の12月31日までは引き出し制限あり)2024年以降は延長せずに廃止されます。

NISA(一般・積み立て)のデメリット5選

複利効果を得にくい

配当をそのまま再投資することで、複利効果をかけることができますが、これも年間120万円(積み立てNISAは年間40万円)の枠が決まっているためにNISAの複利には限界があります。

そして、複利効果というのは20年目くらいから、効力を発揮するとも言われており、時間制限がある積み立てNISAでは不向きと言えます。

NISAでは非課税で投資できる金額の枠組みがあるので、複利のメリットを活かすことが困難と言われています。

課税対象になる可能性がある

例えば購入時100万円、5年の非課税枠終了時点で80万円だったとします。

この時、80万円が課税対象の口座に移動されますが、その後100万円に値戻りした場合は20万円(100万円ー80万円)の利益として、ここに課税されることになります。

損も利益もプラマイゼロなのに課税されるなんて驚きです。

損益通算できない

本来の課税される通常の投資であれば、A口座でマイナス100万円。B口座でプラス100万円の結果であった場合は、±0円となり(損と利益の合体)課税はされません。

しかし、NISA(一般も積み立ても)にはこれが適用されません。

また通常、損失分が残っている場合は、3年間はマイナス分を繰り越しできます。(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除制度)が、NISA口座では適用されません。

非課税で優遇されている分、マイナスがでた場合はそのままマイナスが残ります。

リバランス・スイッチングに限界がある

株式:債券のバランスを変えたり、先進国:新興国のバランスを世界情勢に合わせてバランスを変更していくことが投資の鉄則です。

例えば、世界経済悪化のため、今持っている商品(株式100%)を売却して、新しい商品(株式50%、債券50%)を購入したとしても、年間120万円(積み立てNISAは年間40万円)の枠を消費していくことになるので、スイッチングできずに経済悪化の影響を受けやすいと言えます。

複利効果を得にくいのと同様に、金額の枠組みがあるので臨機応変には投資しにくくなります。

手数料が高くて不明瞭

手数料の安いネット証券会社(楽天・SBI・マネックスなど)の手数料は大々的に広告されていますが、それ以外の手数料がブラックボックスで調べることができません。

この隠れた手数料がNISAの最大の落とし穴であると言われています。

確かにNISAは隠れ手数料が高い!と聞いたことがあります。初心者の私は注意が必要ですね。

結局…何がいい?

NISA・積み立てNISAともにメリットデメリットがあります。

デメリットと受け取るのは個人の考えであり、ご自身がデメリットと考えないで納得できるのであればどちらを選んでもいいと思います。

「積み立てNISA」は、最長20年間をかけて少額から無理なく取り組めるので、よりリスクは低く、長期で投資したい方に向いています。

「一般NISA」は、少し投資の知識があり短期間でも、自分でハイリスク・ハイリターンの投資を行いたい方に向いています。

結局のところ、自分に合った投資体系を把握し、短期投資・長期投資を考え、何年後にいくらほしいかビジョンを見据える必要があります。そこから逆算して自分が必要としている金額を確保できるものを選ぶのがベターだと思います。

少なくとも銀行に置いておくだけよりも、まずは投資の一歩としては、良い制度なので積極的に活用してみましょう。

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